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2005年9月末にオープンした「鄭和記念館」。今マラッカでもっともホットな歴史博物館です。「鄭和」と書いて日本では「ていわ」と読みますが、中国語では「チェンホー」と発音します。マラッカ王国が成立した頃、南には現在のインドネシアを制圧していたマジャパヒト王国。それに北には「シャム」と呼ばれるアユタヤ王朝(現在のタイ王国)などの強大国がマラッカを狙っていました。その侵攻を防ぐため、マラッカの初代スルタン(王様)パラメスワラ国王は明(現在の中国)に防衛協定を求めました。
ちょうどそのころ明王朝の皇帝に即位した三代「永楽帝」(えいらくてい)は海のシルクロードを確立するため中継港としてマラッカを高く評価し、渡りに船とばかり使者を送り「朝貢貿易」の相手国として受け入れました。その使節を指揮する最高指揮官に任命したのが「鄭和」だったのです。「鄭和」という人物については、当サイトのマラッカの歴史コーナーで紹介しています。今回は、この出来たてホヤホヤの鄭和記念館をご紹介します。 |
広い館内に入り、まずは「鄭和」の生い立ちから、宦官(かんがん)として登用されやがて皇帝の目にとまり最高責任者にまで登りつめた功績が詳しい説明書きや年表と共に展示されています。この途中、右手にあるのがシアタールーム。エアコンが完備されたこの部屋には大型プロジェクターが設置されており「鄭和」の偉業がわかりやすく解説されています。
ちょっと長いかな〜という感じの映像なのでツアーで立ち寄った旅人さんにはじっくり見る時間がないかもしれません。しかし最新技術のCGはもちろん、史実に基づいた正確なデータが満載されているので時間のある方にはぜひ見ていただきたい「偉大なる航海家『鄭和』物語」です。クエストすれば日本語のナレーション入りでご覧いただけます。(10カ国語対応) |
| 最高指揮官に命じた「鄭和」の出陣を言い渡す永楽帝を再現した展示室。手前にいる衛兵はメチャクチャリアルな蝋人形です。近くに寄ってみましたがヒゲのはえ方はもちろん、よく見ると鼻毛までキチンと植えられています。今にも動き出しそうな衛兵さんですが、せめて鼻毛ぐらいは処理してから皇帝の前で警備を担当して欲しかったんですが。(^^;) |
| やたら重くて、存在感のデカイ国王印。マラッカのことを現在の中国語では「馬六甲」と漢字で書いていますが、鄭和艦隊がマラッカに初寄港した1405年当時には「満刺加」と書いていたそうです。当時の印影をもとに複製された国王印も展示されています。上の写真には写っていませんがこの展示物のすぐ左側には永楽帝の明王朝国王印の複製品も展示されています。 |
マラッカが鄭和艦隊の護衛のもと東西交易の重要な基地港として栄えた1400年代初頭のジオラマが展示されている部屋もあります。よく目をこらしてみるとマレー人だけではなく、中国系・インド系・アラブ系などさまざまな民族が、共栄して市場を開催しているのがご覧いただけます。まさに国際化が徹底された多民族国家「マレーシア」の起源をさぐる重要な展示物だと思います。ちなみに、この鄭和記念館が建っている場所は、上の写真にキチンと写っています。橋を右(現在のスタダイス広場)から左に渡って、即右折してちょっと進んだ場所です。間口の広い3階建ての建物がそれです。
このジオラマ展示室の手前には、当時、街で取引されていたスパイス(香辛料)や、穀物、金や絹織物などマラッカの通商特産品がズラリと並んでいます。見ているだけでマラッカ王朝成立の頃にタイムスリップできること間違いありません。 |
ヨーロッパの列強が大航海時代に突入し、アジアの沿岸諸国と次から次へと侵攻し植民地の占領者となったのは鄭和の大航海から100年近く後のことです。羅針盤(コンパス)や六分儀(天文航法の確立)などこの時代、中国の海洋航海技術は世界最強・最大のモノでした。
ちょっと余談ですがこの鄭和記念博物館には、常設のギャラリーが併設されています。常設展のメインにはマラッカ出身の「鐘画伯」の自信作、およそ30点ほどが並んでいます。水墨画タッチの緩急とリズムのついた筆に、南国特有のトロピカルカラーが鮮やかに彩りをそえたオリジナリティーの高い絵画です。館内は迷路のような作りになっているので、画伯の常設展の場所がわからない方は係員に聞いてみるとよいでしょう。 |
| 本題に戻りましょう。水平線の向こうにいったい何があるのか?道の航路を開拓した鄭和艦隊は1405年の初航海から数えること4回目以降はインド洋を渡りきり、遙かアフリカ大陸まで到達しています。そしてライオン、ラクダ、シマウマ、サイ、ヒョウなどの猛獣(珍獣)も捕らえ、明(中国)に持ち帰っています。中でも永楽帝をもっとも喜ばせたのが「キリン」でした。中国の伝説では、皇帝が素晴らしい治世を行ったときに現れる聖獣が麒麟(キリン)だそうです。この伝説を具現化した、来館者が思わずアッと叫んでしまう展示や仕掛けがまだまだあるんですが、これから先は実際にご自分の目で確かめてください。(^^;) |
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